短かい春が過ぎ、京都盆地に蒸し暑い日々が来るようになりました。各地の商店街さんや児童会さんから盆おどり唄が収録されたCDやカセットテープ、盆踊りや民謡の振付・踊り方DVDの問い合わせが増え始めた今日この頃、今回は少しばかり、盆おどり唄についてご紹介したいと思います。
(本記事は2003年に弊店担当者が執筆し、市原栄光堂が所属するショッピングモール『きょうとwel-com』の『よもやまばなし』コーナーに掲載されたものです。一部修正して再掲載させていただきます。)
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弊店のお薦めCD/DVD/絵本などを抜粋紹介しています。お探しの作品がある場合は、お名前、ご住所、お電話番号記載のうえ、メール、FAXなどにてお問い合わせください。なお、お調べのみを目的にしたお問い合わせへの対応はご遠慮しております。ご了承ください。 盆おどりはもともと祖霊、精霊を慰め、これを死者の世界に再びお浄土へお送り申し上げる踊りとして始まったといわれております。盆棚で祖霊を歓待した後、無縁の精霊にもおすそ分けの施しをし、子孫やこの世の人々ともに楽しく踊ってあの世にお帰りいただく、
こうした日本古来の先祖祭の行事に、急速に広がった仏教のみ教えが習合して、より強固な年中行事に成長してきました。
地域によっては悪霊払いや豊年踊り、さらには男女が入り乱れて歌い踊る中で配偶者を求め合う今でいう合コンのような習俗があり、これもそのまま盆踊りに流用されていったようです。今では旧暦七月十五日、
十六日に盂蘭盆会を中心に全国各地で行われています。
盆おどり唄は音楽的なジャンル分けをすると、日本民謡の一種目とされます。現在つかわれている盆おどり唄の数は極めて多く、種類もさまざまですがよくよく聞いてみると、
起源や歌詞からいくつかに大別することができます。
たとえば起源から考えると、ソーラン節や馬子唄、追分、大漁歌のような労働唄。結婚式や棟上式に歌われていた冠婚祝い唄、各地の自然や民芸品を歌い上げた観光唄。さらに江戸時代の士農工商の身分制度を背景に地域住民の融和をめざした唄などもあります。昔は旅というと行くまで、帰るまでが大変で、港と港をつなぐ舟唄や峠の宿場唄なども数多くあります。
歌詞の面から考えると大きくは2つに分けられます。菊水丸さんの活躍などで有名な河内音頭や栃木県の八木節などのように七七や七五調の言葉をつなげていく口説き形式と、また阿波踊り(徳島)や郡上踊り(岐阜)のように七七七五調などの短詞形を歌う小唄形式です。河内音頭など口説き形式では歌詞を重視するため、比較的単調ですが、それゆえに替え歌などのアレンジが容易です。小唄形式には囃子詞(かけごえ)なども入り、変化に富んでおり、数自体は圧倒的に多くなっています。
いずれの場合もヨーロッパやアメリカのダンス音楽がさまざまなリズムを用いて表現されるのに対し、日本の盆おどり歌はほとんどが規則的な拍節感の「八木節様式」を用い、言葉(歌詞)に寄せて表現されているといえます。
できれば曲名(タイトル)だけでなく、地域(県名)なども教えていただきたいと思います。曲名は正確なほうがもちろん助かりますが、一部曲名が欠けている程度なら地域がわかればわかる場合もあります。 中には同じ唄でも歌い手さんによって雰囲気が異なる場合もあります。これは民謡ファンの方にもお伝えしたいのですが、歌手名を指定していただいてもあるかどうかはわかりませんが、いちおう、ご指定がある場合はお伝えください。