向田邦子 朗読CD〜小説,脚本,エッセイの朗読

　出版社秘書、映画雑誌編集者を経てテレビドラマ脚本家となり、後に小説も書かれるようになった向田邦子氏。
小説家というより、『寺内貫太郎一家』などテレビドラマの脚本家として認識されている方も少なくないだろう。父親がサラリーマンで転勤族という、当時としてはごく一般的な家庭で育たれた向田邦子さんの作品は、どこにでもある、ありふれた私たちの営み、そのちょっとした一片を切り取って作品化している。
　『人生あざなえる縄のごとし - 人生は、幸せという縄と、不幸せという縄と２本でね、編んであるようなものなのよ。幸せと不幸せとは、交互でやってくるもの。そういうものが人生というもの。』　親友だった女優 黒柳徹子氏は向田邦子さんの人生観をこのように語る。
　向田さんの作品を読むと、普通の生活、特に普通に家庭や家族がいてくれることが、どれほど幸せなことが気づくことができる。私事ではあるが、叔母を医療ミスで失ったとき、私はそのことに気づいた。朝起きて、普通におはようという。普通にごはんを作ってもらえる。夜、そろそろお風呂に入り、と普通に声をかけてもらえる。こんな普通のことが一夜で失われてしまう。この恐ろしいまでの寂しさ、失わないうちに気づかせてくれるのが、向田邦子さんの作品ではないだろうか？
　本ページでは、向田邦子さんの魅力がたっぷり楽しんでいただける朗読ＣＤを紹介、販売させていただきます。